若い頃、ひょんなことから駅で手相を占ってもらい、成り行きでもっとすごい先生に更に細かい鑑定を受けることに。果たして結果は？
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「あなたは、このままではどんどん苦しくなっていく一方です」
20代前半位の、可愛い地味目OL風の、占いの大先生はそう言った。
え・・・ 今まで僕は、何度か占いで見てもらったことはあるが、名前の画数でそこまで悪い鑑定結果が出たことがなかった。
でも、このすごい先生が言うのだからそうなのだろう。実際、その時の僕はどん底で何をやっても上手くいかず、これからどうやって上がっていけばいいのだろう、と思っていた。だから、その占いの結果に対して「やっぱりな…」と、ショックを受けながらも妙に納得していた。
気軽にチャチャっと占ってもらって、さっさと帰ろうと思っていたところ、思いの他鑑定に時間がかかり、ひどい結果が出て、気分が落ち込んでいたので、その後、どういうふうに苦労して苦しくなっていくのか、具体的に説明を受けたのだけれど、気が動転していて、内容はあまり頭に入ってこなかった。
一通り説明が終わると、先生は言った。
「運命を変えたければ、しばらくここで勉強していくといいですよ。なんでも音楽の道を目指しているそうですが、それにも役立つはずだし、もしかしたらもっと違った道があなたには用意されているかもしれません。」
そこまで考えていなかったので、ちょっと迷ったのだけれど、、結果ばかり気になっていたのと、実際の自分の現状を考えたところ、、正直、藁をもすがる思いになっていて、また、あまり深く考えるのも疲れていてまともな判断能力は残っておらず、もうどうにでもなれ、と思いながら、そのカルチャー・センター（？）のような場所に、一週間に数回、夕方しばらく通うことに決まった。多少のお金がかかった。
一緒に来てくれた、カタヤマさんは、「すごいじゃないですか！ 運命が変わるなんて、本当に来てよかったですね。」と自分のことのように喜んでいる。他のスタッフも喜んでいる。最後にデジカメで笑顔で記念撮影したが、内心とてもそんな楽しい気分にはなれなかった。
「ああ、やっちまったかな、これからどうなるんだろう」やっとこさ帰れることになり、電車の中で考えた。
「でもなんで、こんなに悪い占いの結果が出たのだろう？ そして、なんであんなに鑑定に時間がかかったのだろう？」
（続く）
p.s
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