話すのが苦手なのがコンプレックスだった その1

音楽、イラスト、小説、漫画、動画作成etc…

クリエイターの方って、一般的に話すのは得意なのでしょうか? 苦手な人もそれなりにいそうな気がします。

タイトルの通り、、僕は人前で話すのがとても苦手な時期がありました。若い頃、20代前半~30過ぎくらいまで、です。

子供の頃から苦手だったか、というと、意外とそうでもなくて、小中高では、学級委員とか、生徒会の役員とかも経験したことがあったくらいで、活発なところもありました。(別に自慢してるわけじゃないです) でも、高校生の頃から、少し引っ込み思案になりつつありました。どこかでも書いたかもしれませんが、「音楽以外、取り立てて何もない自分」を感じることが増えてきた時期です。

大学生になってからもその傾向は強くなり、軽音楽部などのサークル活動などではそれなりに居場所があったのですが、公の場で人前で何か発する、という機会はどんどん減っていきます。また、より一層「音楽以外何もない自分」になっていったにも関わらず、プロレベルになるのは難しいだろうな、と薄々(というかはっきり)感じるようになって、どんどん自分に嫌気がさし、何か言葉を発することに苦手意識を持つようになりました。(ただ、友達同士で飲んだり、とかは普通に話せて、むしろおしゃべりな方でした。)

それから、なんとなく卒業してフリーターになって、中途でとある情報処理系の会社に採用されました。そういう状態ですから、社内研修なんかで、その欠点を教育係の方に指摘されない筈がありません。「ノイは話すのが苦手」社内でそういう認識を持たれるのに、そう長い時間はかかりませんでした。

そして、配属先が決まって、全く自分に合わないの内容を仕事をいきなり任されます。条件は他の中途採用の方も全く同じでしたが、その方達は元々そういうスキルを勉強してきた人でした。自分は本当に何も分からず、朝出社しては分からないことをずっと調べてもやっぱり分からず、何も進まないままデスクの前に座り終電で帰る、、そういう日々がやってきました。

上司は有能でしたが、弄るのが好きな方だったので、もう本当にケチョンケチョンに、仕事は勿論、人間的な欠点にも及んで言われます。そこで何かしら、しっかり仕事をして返していければ良かったのですが、当時の僕にはそんな能力はとてもありません。そのうち心を壊しパニック障害になり、電車に乗ったり立っていると卒倒しそうになり、本当に話せなくなりました。ほどなくして出社できなくなり、逃げるような形で辞めてしまいます。

「話すのが苦手な自分」が、そこで決定的になりました。それから一年以上は、心から笑ったことがなかったように思います。(前回までの手相の記事は、この頃にあった出来事を書いています)

何をやる時も、人と話をしたくなくて、話すとすぐに疲れてしまいます。でもずっとそれではいけないので、家庭教師やら少人数制の塾講師やら、、なるべく精神的に負担のかからないけれど、人と話す機会のある類の仕事(あとパニック障害が発症しにくいだろう環境での仕事)を選びながら、音楽面では演奏の仕事などをしながら、作曲家を目指していきます。そんな感じですから、お世辞にも良い先生ではなかった、と思います。

転機が来たのは、、2006年から2007年にかけて、BoAさん、浜崎あゆみさん、リア・ディゾンさん、上戸彩さん etc… 数多くのアーティストに曲を提供することができて(特にBoAさんに書いた曲はヒットし、同年の紅白歌合戦で歌唱されるほどにもなりました)、自分の中で「ようやくプロの作曲家になれた」と思えるようになった時です。

「音楽の専門学校で教えてみたい。そして、人前で話すのが苦手なのを克服したい。」

なんのコネもツテもなかったので、リットーミュージック社の音楽雑誌「サウンドレコーディング」の付録の、次の年度の専門学校のパンフレットを見て、片っ端から連絡を入れていきます。時は2007年の2月か3月、、、もう普通なら絶対アウトな時期ですよね 笑 でも欠員があったからか、いくつかから返事が来ました。結局、その中で最も大手の音楽専門学校で、授業を持つことに決まりました。正式に決まったのは、なんと4月の、新年度の入学式の日に、です 笑

専門学校講師に決まったのは良かったのですが、、問題は苦手な「人前で話すこと」です。一対一の家庭教師などとは違い、プロのミュージシャン志望の大人数の学生さん達を相手に、ただ話すだけでなく、プロになるためのスキルや必要なことを教えなければなりません。そして、その位の年頃の人たちというのは、得てして怖いもの知らずです 笑

基本は90分の授業だったのですが、最初の方の授業は、それこそ90分での内容で話すことを、全てテキストに前もって書いて(笑)、それを見て読みながら解説していく感じでした。幸い、前年の作曲の実績が効いたのか、大方の学生さん達は僕を快く迎えてくれました。でも、そんなことばかりやっていたら準備だけでも疲れてしまうし、自分がなんとか無事に話し終えて、とりあえず授業が終了して「ああ良かった」だと、学生不在の単なる自己満足です。もちろん、現役バリバリのクリエイターでもあるので、そちらも頑張らなければなりません。

(続く)

p.s

疲れた時、リラックスしたい時は、こちらの方もぜひ聴いてくださいね!

https://linkco.re/gGAqRbFa?lang=ja

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