「絶対音感」について

絶対音感というのは、鳴っている音の高さそのままで、音を捉えることができる、そういう音感のことです。絶対音感のある人は、例えば、Fメジャー・キーの曲で、「ファソラシbド」と音が鳴っている場合、「ドレミファソ」と聴こえずに、そのまま「ファソラシド」と聴こえます。そして、ガラスのコップが割れるような、複雑な音でも、ちゃんと、その音の高さが分かります。(これ、いつもすごいなと思います)
この前の話で、ポピュラー・ミュージックの作曲をする上で「相対音感」がとても大切、ということを、書いていきましたが、では、絶対音感はどうなのでしょうか? 
僕は、絶対音感がありません。プロのミュージシャンでも、絶対音感がない、という人は、結構います。
絶対音感のない僕ですが、それでも、なんとなく「ド」はこの高さの音、「レ」はこの音、、、みたいなのは、ちょっと分かります。でも、ガラスの割れる音は全く分かりません。
僕の場合は、各音のキー毎に、ものすごく好きな曲があって、その曲を想像して、音の高さを判断しています。例えば、
C  ・・・ Letter To Evan(Bill Evans)
Db・・・はじまりはいつも雨(ASKA)
D  ・・・Every Step Of The Way(David Benoit)
Eb・・・Say Yes(CHAGE&ASKA)
E  ・・・Freedom At Midnight(David Benoit) 厳密にはC#マイナー
F  ・・・Yah Yah Yah(CHAGE&ASKA)
Gb・・・Cafe Rio(David Benoit)       厳密にはEbマイナー
G  ・・・We’re all alone(Boz Scaggs)
Ab・・・Time goes by(Every Little Thing)   厳密にはFマイナー
A ・・・Kei’s Song(David Benoit)
Bb・・・Autumn Leaves(Bill Evans)      厳密にはGマイナー
B ・・・ひと夏の出来事(AKB48)笑       厳密にはG#マイナー このキーの有名な曲ってなんでしょう?
といった具合に。書いてみると、ほとんど、CHAGE & ASKAさんと、David Benoitさんです。笑 でも、これは絶対音感なのか、と言われたら、全く違うと思います。
(余談ですが、個人的に、Ebメジャー・キーに、名曲が多いような気がします。)
絶対音感がなくて、仕事で不自由することはあるのか? というと、今のところは正直、あまりないような気がします。楽器で音が出せない場所でも、作曲、編曲したりする時は、絶対音感がある方が、かなり有利だと思いますが。
しかし、、なんとなくなのですが、プロで長くやってらっしゃる方は、絶対音感がある人、もっと言えば、クラシックの素養がしっかりしている人が多い、そんな気がします。プロになる段階では、絶対音感やクラシック的素養は、それほど必要ないかもしれないけれど、プロをずっと続けるには、ある方がきっと、アドバンテージが大きい、と言えるでしょう。それ自体も、その人の「個性」になると思います。だから、ない人は、仕事しながら少しでも身につけていくか、工夫してやっていくしかないですね!

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