音楽理論は必要なのか

ポピュラー・ミュージックを作曲する上で、音楽理論は必要か否か、という話題が、時折上がります。

これは難しい問題です。どこからどこまでが音楽理論、と言えるのか、人によってマチマチだからです。「ドレミファソラシド」が、Cメジャー・スケール、というのも、立派な音楽理論です。
僕自身は、音楽理論は、作曲をこれから始める段階では、全く必要なくはないが、そこまで知らなくても大丈夫なのでは、と思っています。
ただ、音楽理論を「本格的に」勉強する前に、最低限、知っておいた方が良いことと、やった方が良いトレーニングが、あると思います。ここから書くことです。
(その1)
「メジャー・スケール」と、3つのマイナー・スケール(「ナチュラル・マイナー・スケール」、「ハーモニック・マイナー・スケール」、「メロディック・マイナー・スケール」)の、計4つのスケールがあることを知っておく。
(その2)
ハ長調(Cメジャー)の、ドレミファソラシド と、鍵盤でいうところの黒鍵にあたる、ド#=レb、レ#=ミb、ファ#=ソb、ソ#=ラb、ラ#=シb を、全て度数で言えること。
そして、ハ長調以外の、別の調の場合でも、その調の基準になる音(楽譜にスケールを書く時、一番最初に書く音)を完全1度として、同じように考えていけばいいということ。
(その3)
メジャー・コードと、マイナー・コードがある、ということ。マイナー・コードは、メジャー・コードの3度の音(長3度)が、半音低くなる(短3度)コード、ということ。
(その4)
「固定ド」と、「移動ド」というものがあり、
鳴った音を、実際の音の高さのままに表すのが「固定ド」、
鳴った音を、その曲の調の基準になる音を「ド」として表すのが「移動ド」
である、ということ。そして、
鳴った音が、「固定ド」で聴こえるのが、「絶対音感」
鳴った音が、「移動ド」で聴こえるのが、「相対音感」
である、ということ。
(その5)
生活している中で、音楽が聴こえてきた時に、全て「移動ド」で、頭の中で歌う習慣を付けること。(「相対音感」を鍛えること) もちろん、声に出して歌っても構いません。
(その6)
「4分音符」は、「16分音符4つ分の長さ」あるいは「8分音符2つ分の長さ」という意識を常に持つこと。
言葉にすると、なかなか難しかったです。笑  かなり大雑把に書きましたが、これらを覚えたり、普段から「遊び感覚」でトレーニングすることが、とても大事です。
音楽をそこそこ嗜んだことのある人なら、「なんだ、こんな簡単なことか」と思うことばかりだと思います。しかし、これらのことが、あやふやにしかできていないと、その後に勉強するであろう、難しい音楽理論は、ただ単に知識として覚えただけ、覚えたつもりになってしまう可能性が大きいです。
音楽理論は本来、知識としてだけではなく、実践で使えないと(そしてそれが、カッコいいものでなければ)、何の意味もありません。
上記にあげた中でも、特に大事なのは、(その5)だと思います。生活の中で聴こえてきた音楽を、「相対音感」を使って「移動ド」で歌うこと、です。
このトレーニングは、ものすごく効果があり、お金も全くかからないので、絶対にやった方が良いと思います。それも真面目にやる必要は全くなく、遊び感覚で大丈夫です。心の中で鳴っている音楽でもOKです。もう既に音楽をやっている人、理論を勉強している人にもオススメします。
もしかしたら、これがかなりできている人なら、「作曲において、スタート段階では、音楽理論はそこまで必要ない」と言えるかもしれません。
 

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