(2004年当時)
この時期、、、僕と同じようなクリエイター志望の方と、ひょんな形で知り合った。
ある場所からデモCDに対する反応があり、「リミックスの仕事をしてみないか」と言われ、その事務所に出向いた時に、玄関で一緒になった、ヒビノ君だ。ヒビノ君も同じような理由で事務所に来ていた。歳はやや下で、ガッチリ系のイケメンで、なかなかの好青年だ。
リミックスの仕事自体は、結局流れてしまったが(このブログ、デモの返事が来たことと、仕事が流れたことばかり書いているような気がする 笑、途中までは本当にそんな感じだった)、ヒビノ君とは友達になり、よく電話したり、家に遊びに来たりすることもあった。ライバル、というより、お互い長所を吸収し合うような関係だった。
彼に出会う数年前に作ったデモも、聴かせてもらったが、すごいと思ったのは、そのデモはYAMAHAのQYシリーズで作っている曲も入っていたこと。アレンジもミックスも素晴らしいクオリティで、全くそんな風には聴こえなかった。プログラミングも上手かったが、ギターの腕もなかなかのものだった。(デモで何度か、ギターを入れてもらったこともあった)
曲もひじょうにキャッチーで、でもいざとなれば、ジャズ理論が必要なものや、いわゆる洋楽的なアプローチなものもサラッと作れてしまう、そんな勘の良さも持ち合わせていた。
プラグインエフェクトの使い方にも長けていて、当時、僕があまり得意でなかった、EQ処理なども、家に遊びに来た時に教えてくれた。
でも、彼の一番素晴らしかったところは、自分に自信を持ちながらも、人の良い作品を素直に評価することができて、人の成功を素直に喜べる、そういう人柄だった。僕もなるべく気を付けているが、この仕事をしていて、なかなかこれが普通にできる人はいないと思う。
それから程なくして、ヒビノ君は大活躍するようになるのだが、やはり伸びる人というのは、腕や人間性など、何かしらキラッとするものを持っているものだと思った。
「作品と人間性は関係ない」という人もいるが、僕は関係あると思う。大きな事件(罪)を起こしてしまった人で、作品が素晴らしい方も確かにいる。でも、そういう方はきっと、心の奥にはきれいなものを持っていて、いろんな悩みを抱えていたからこそ、人の気持ちが分かり、共感できる作品を作れたり、感動するパフォーマンスができたりするんだと思う。
(次回) その49 本人のプリプロ音源
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