「フィロソフィーのダンス / ダブル・スタンダード」魔法科高校の優等生ED

今日8/18(水)に、新時代アイドルグループ、フィロのス こと、フィロソフィーのダンス さんのメジャー 3rd シングル、「ダブル・スタンダード」がリリースされます。僕は表題曲、「ダブル・スタンダード」の作曲・編曲・コーラスアレンジを担当しています。

(奇しくも 8/18(水)は、僕が最も好きなミュージシャンの一人、デヴィッド・ベノワさんの68歳の誕生日です)

フルサイズのMVも配信されていますが、とてもカッコいいです! フィロソフィーのダンス さんは、純粋に歌唱力は勿論ですが、一人一人全く違う個性を持っているので、一つの楽曲の中でも、幅広い表現ができるのが強味だと思います。ダンスも素晴らしいですね。

この曲は、今放映中の人気アニメ「魔法科高校の優等生」のエンディングテーマとしても使用されており、アニメファンの方で聴かれた方もいるのではないでしょうか? 実は、30分枠アニメのタイアップというのは、僕の楽曲の中では初めてでもあります。

僕は昔から、「J-POPは、作曲ならダンス・ミュージック、作詞なら恋愛系のラブ・ソングが基本にあって、そこからいろいろ作風の幅を広げていくのがベスト」というふうに、あくまで自分の中でですが考えていたところがありました。それが正しいのかは分からないですが、この曲は本当に、どちらの要素も満たしている楽曲なのでは、と思っています。とにかく歌詞が、今回のアニメの主人公、司波深雪(しばみゆき)の心情をとても表していて、本当に素敵なのです。

SHOWさんという、バリバリの素晴らしいクリエイターさんが作詞されていまして、SHOWさんは他にも「ダブル・スタンダード」に収録されている、「テレフォニズム(作詞・作曲)」「ウェイク・アップ・ダンス(作詞)」で参加されています。ほぼ全曲ですね 笑 (「テレフォニズム」は2ndシングル「カップラーメン・プログラム」にオリジナル・バージョンが収録されていて、そちらは編曲もSHOWさんが担当されています)

僕は毎回、全然違うタイプの曲を書くのが好きだったりするのですが(たとえば、≠ME さんに提供した「ポニーテール キュルン」のように、、こういう振り幅の仕事スタイルは、大好きな CHAGE & ASKA さんの影響です)、この「ダブル・スタンダード」には特に、自分の身近にあった音楽的要素が、ふんだんに入っていたりします。

ジャミロクワイ、インコグニートなどのアシッド・ジャズ、昔、都内のジャズ&オールディーズバーで何度も演奏した、ダンス・クラシックやモータウン・サウンド、タワー・オブ・パワーなどのファンキーなR&B、ジャネット・ジャクソンなどのポップなR&B、ジャコ・パストリアスやマッコイ・タイナー、そしてデヴィッド・ベノワ さんといった、ジャズやクロスオーバーetc… メロディ的にはミッシェル・ルグラン や日本の古き良き時代の歌謡曲… 数え上げたらキリがありません。ちょっとだけ、アントニオ猪木さんの「炎のファイター」っぽいところもありますね 笑 (因みに僕の中では、アシッド・ジャズのつもりで作っています)

___

そして、彼女達が女性スパイに扮した MVを見た時、、僕は曲作りの際には特に意識していなかったのですが、ジェームズ・ボンドというか、007のイメージも曲の中にあったのかもしれない、と思いました。

僕が初めて買った、デヴィッド・ベノワさんのアルバムが、1994年リリースの「シェイクン・ノット・スタード」なのですが、これはベノワさんが大好きな「007」からインスピレーションを受けて創られたアルバムです。このアルバムはもう本当に、何度も数え切れない位聴いていたので、それが楽曲の中にも、コード進行や和声などに、自然と反映されていたのかもしれません。

___

こういう要素をベースにした楽曲を作る時、単に洋楽をなぞるのではなく、自分のオリジナリティを入れながらアーティストの魅力を引き出し、J-POP のフォーマットに落とし込んでいく(時には発展させながら)、ということが、本当に難しいのです。ましてや今回は、人気アニメのタイアップです。クールでありながらエモーショナルで、特に音楽に詳しくない人でも楽しめる、大きな起承転結のあるドラマチックな展開に仕立てていく、ということが、僕の中での曲作りの最も難しい部分でもあり、また大きな醍醐味かもしれません。

また、この曲はコード進行、転調にかなり特徴があるので、もし気になられた方がいれば、それを解析するのも面白いかもしれません! スケールも「ドリアンモード」というものを使っている箇所があります。

曲の細かい部分で個人的に気に入っているのは、イントロからAメロへの増4度の転調、Aメロ後半の同じメロディを延々と繰り返す箇所、そしてラストサビで1小節だけ、それまでのサビにないコーラスを入れている箇所です。

使用音源、、、僕がこれについて話すのはかなり珍しいのですが、今回のメインの一つである、ストリングス パートだけお話しします。大方は、IK Multimedia Miroslav Philharmonik 2  で構成されており、それに加えて、Chris Hein Solo Violin、Native Instruments Session Strings、そして Roland INTEGRA-7  を使用しています。聴いた印象では、Chris Hein Solo Violin が大活躍しており、Philharmonik 2 はやや地味ですが全体的にとてもソウルフルに聴こえる音源なので、それが土台になっている感じです。ストリングスは打ち込むと、総じてタイミングがやや遅れて聴こえるものですが、今回の曲は、非常に速いパッセージが多かったので、midiをオーディオデータにした後、波形のタイミングを微妙に前にずらして、最もグルーヴィに聴こえるよう、調整しました。音楽制作をやっている人なら気づく方もいらっしゃるかと思いますが、それほどマニアックな音源は使っていないのです。

___

フィロソフィーのダンス さんは、「楽曲派アイドル」と言われている通り、これまでの楽曲をみても、キャッチー且つ音楽的造詣が深い、本当に一筋縄でいかないような素晴らしい作品がずらりと並んでいるのですが、それらが気にならなかったかといえば、ひじょうに気になりました。そして、ファンの方々の耳がとても肥えているのも知っていました。いつも思っておりますが、音楽は決して勝ち負けではありません。しかし、新しく出る楽曲なので、以前の作品に聴き劣ってはならない、という気持ちがあったので、それがすごくプレッシャーでもあり、全ての工程が終わるまで、全く気の抜けない作業が続きました。そのかいもあって、その時点での僕のベストを尽くすことができたと思っています。その時には、これまでの楽曲との対比とは全く関係ない、別次元の充実感を感じられるようになりました。

また、参加されたプレイヤーも、ギターは Soulife の佐々木望さん、ベースはキリンジの千ヶ崎学さんと、超一流の方ばかりです。仮歌ボーカリストさんも含め、携わった方々、協力してくださった方々、全ての結晶のような楽曲だと思っています。そして、彼女達ベスト・フォーの歌声が入ることで、曲に新たな生命が吹き込まれました。

カップリングに収録されている、「ウェイク・アップ・ダンス」「サマー・イズ・オーバー」「テレフォニズム(Night Tempo Melting Groove Mix)」も本当に素晴らしい楽曲達です。フィロソフィーのダンス さんの昔からのファンの方にも、これからファンになる方にも、アニメファンの方にも、本当に少しでも多くの方々に届き、ずっと親しんでいただける曲になることを、心から願っています! もしこの曲に興味を持ってくださった方はぜひ聴いて、またいろんな方にこの曲を紹介していただけると、とてもうれしいです!

最後に「ダブル・スタンダード」という言葉ですが、このコロナ渦のご時世、情勢的にこの言葉が当てはまるかもなあ、と思うことが、ないわけではないです。致し方ない部分もあるのかもしれませんが、それによって割を食らう人もいるとしたら、本当にお気持ちを察します。

でも、「ダブル・スタンダード」とは厳密には意味が違うかもしれませんが(実はあまりはっきりした定義が分かりません)、普段生活していると、全く逆のことがどちらも正しいものとして、同時に存在しているように思える時があります。たとえば、「人間はみんな同じ」「人間はみんな違う」、「お金より大事なものがある」「お金が一番大事」etc …

それらはどれも真実だと思っています。この世の中は、いろんな矛盾に溢れているかもしれませんが、それらが自分本位だったり相手を攻撃するためのものではなく、物事を円滑に進めたり人を寛容に受け入れていくためのものであれば、必ずしも悪いものばかりではないような気がします。二つの相反するものが、同時に道理のあるものとして混在しながら世の中は成り立っている、それを踏まえた上で、他の人を責めるのではなく相手の気持ちになって考えていく、、そうすることによって、人々が優しい気持ちになっていくのでは、、それが僕にとっての「ダブル・スタンダード」です。

___

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *