メロディは降りてくるのか?

よく、「作曲ってどうやってするのですか?」という質問をする場面を、見かけることがあります。僕自身も時々聞かれます。

コンピューターを使って、音楽制作ソフトを使って、様々な音源やプラグインエフェクトを駆使して、midiキーボードで打ち込んで、、、みたいなお話は置いておいて、今回は、「メロディやコード進行はどうやって浮かぶのか?」というところに、焦点を絞って、お話したいと思います。

よく、「何もないところから物を生み出すって、すごいですね」みたいなお話をしてくださる方もいるのですが、僕は意外と、それは音楽や他のアートだけではなく、普通の会話やメールも、「何もないところから生み出す」という部分では一緒ではないかな、と思っています。僕の中では、曲を作るということは、会話やメール、そしてここで文章を書いているのと、全く同じ感覚です。料理の得意な人でしたら、料理も同じじゃないかな、と思っています。なので逆に言えば、文章を書く時も、曲を作る時と同じようなことを気を付けています。これらのことに共通しているのは、改まった場所で発信する時には「より一層の注意をする、かなりの労力が必要」ということです。

ただ、「アイデアの独創性」という部分で、他の方々の素晴らしい作品を聴いて、「何もないところから、これを思い付くのはすごい!!」と思う場面は、確かによくあります。

作曲家の方で、「メロディが降りてくる」「曲が降りてくる」という言葉を使う方も多いです。「メロディが降りてくる」なにか、天才肌な感じや、神様に認められているような感じがしますね 笑

僕はこれは、自分自身に対してはあまり使いたい言葉ではないのですが 笑、確かに朝起きた時にメロディができていたり、ふと何かとっかかりができた時に、サラサラサラと、思い浮かぶ時があります。

でもこれは、僕の場合はどちらかというと、特に天才的な能力があるわけではなく、「相対音感を駆使して、頭の中で音を鳴らしている」ことが多いような気がします。相対音感を鍛え上げれば、、特に楽器がなくても、頭の中で、フレーズを浮かべ、発展させていくことができます。なので、ご飯を食べている時や、何か別のことをやっている時でも、作曲のことは絶えず考えることができ、「ああ、こういうアイデアがあるから、後で試そう」と、その時なりに仕事を進めていくことができるのです。

「夢で見た」という場合も、おそらく、仕事のことがずっと頭の中にあって、夢の中でも作曲をしていて、やはり相対音感で作っているのではないかなあ、と思っています。つまり、天から降りてくる、というよりは、自分で考えて作っているような気がします。(夢って面白いもので、数年前に、ドリフの未発表の新しいコントを、夢で見たことがあります。僕が見た夢なので、当然オンエアされてはいません 笑)

一つのとっかかりから、サラサラサラっと曲ができていくのも、ある程度は「慣れ」ではないかと思います。音楽の場合、気持ちの良い音符の並べ方、コード進行を展開させる技法は(意外性を出すことも含め)、ある程度は、慣習的なものになっているので、その中でもポピュラーなパターンを、頭で考えなくても自然に使えるようなところまで、持っていくトレーニングを普段から心がけることが大切です。そしてその先に、オリジナリティを出していきます。

僕の場合は、メロディを書く時に、「一つのフレーズを元にして、発展させていく」ということを、とても重要視しているので、納得いく1フレーズをまず思い付くことが大切で、それさえできれば、多分、そんなにおかしな楽曲にはならない自信はあります。フレーズから1つの曲に発展させていくのは、テクニックや経験の部分が、非常に大きいです。

そしてまた、「歌メロディを作る時は、楽器で作った方がいいのか、歌いながら作った方がいいのか」ということも、よく話されるテーマですが、僕の場合はこれは、半々かもしれません。良いメロディが浮かべば、どんな方法でもOKだと思います。

ただ、「歌いながら作る」というのは、意外と落とし穴も多い気がします。歌う時って、大抵は鼻歌やスキャットです。鼻歌だと、ある程度、高い音域も低い音域も、無理なく出てしまうので、妙に高低差の広いメロディができてしまう可能性があるのです。僕は歌いながら作る時も、ある程度メロディが固まれば、鍵盤で弾きながら整理して、常にアーティストさんの音域や歌いやすさを意識しながら、メロディをまとめていきます。僕は、鍵盤でメロディとコードとルート音を同時に弾けるので、メロディを発展させたり、まとめていく作業は鍵盤で、ということが多いです。鍵盤は、視覚的に音楽を見ることが、比較的容易な楽器だと思います。

しかし、いろんなテクニックを覚えて、いろんな経験をして「これをこうやってこうやってこうすれば、こうなるでしょ? ハイ、出来上がり~!」みたいに、安易に悟った気になってしまうのは、なんか作るものに、すごく魅力がなくなっていく気がします。そういう気持ちで作った楽曲は、不思議なくらい、聴いた人にすぐにバレます。もちろん、膨大な量の楽曲を作る時には必須な要素ではありますが、「ああでもない、こーでもない」という、手作り感は、音楽には常に必要だと思います。音楽って、器用じゃなければできないですが、器用に要領よく作った音楽ほど、つまらないものはないと思います。不器用な人が至らないなりに努力して、一生懸命作ったものの方が、ずっと人の心を打ちます。有名なアーティストの方々を見ていても、一見器用になんでもできるように見えても、本当はすごく不器用だけど誠実にやっている方って多いですよね。

なので「いつでも初心者」という気持ちは、いつまでも忘れずに持っていたいものですね!

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