1つのメジャー・キーの楽曲の中で、いくつのコードが使えるのか?

1つのメジャー・キーの楽曲の中で、いくつのコードが使えるのか?

(※ 今回の記事は、主に、作曲をしている人で、音楽理論を勉強し始めた方や、中級者以上の方向けかもしれません。一般の方にも読めるよう、なるべく易しい言葉を使いますが、難しかったらすみません)

Twitterで、既に上げたのですが、1つのメジャー・キーの楽曲の中で使える、主要なコードを、機能別に分けて、表にしました。

これです! (Twitter上で上げた表を、やや改訂してあります)

このコード表は、Cメジャー・キー(ハ長調)を例にして、作成してあります。そして、瞬間転調する時によく使うコードも、含めております。

例えば、コードのルート音(ベーシストが弾く音、ピアノで伴奏を弾く時に一番低い場所で鳴らす音)が、「ラ(A)」の時は、使えるコードは、Am, Am7, A7, Adim  というふうに、みていきます。ルートが「ラ(A)」で、機能が「セカンダリー・ドミナント」の時は、A7 になります。

赤文字は、コードを機能で表した時に、メインになるコード、青文字はその代理コード、()で括ったコードは、別の機能に分類しているけれど、解釈によってはこちらの機能に入れても成立するかな、と思われるコードです。

ここに書かれてあるのは、あくまで主要コードなので、書かれていないコードも、たくさん使えます。たとえば、コードのルート音が「ド(C)」の時は、Csus4, Cadd9, C(b5),  CM9・・・ といったコードも、使えます。また、「分数コード」や、「テンションノートの入ったコード」というのも他にありますね。

いま、主要コード、と書きましたが、実はこのコード表には、、、かなり応用的なコード進行で使うようなコードも、できる限り書かれてあります。特に、機能でいう「その他」にあたるものは、その中核となるものです。(正直なところ、これらを見せるのは、かなり自分の手の内を見せているのに、近いかもしれません)

このような表を作った動機ですが、

ある楽曲のコード進行の素晴らしさを、人に説明しようとした時、聴いた時の雰囲気で、「この部分のコードは、こういう機能なんですよ!」と言おうとしたところ、その機能に完全に当てはまっていないことが分かり、(サブドミナント・マイナーを使用している例として、あげようとしたコードが「FmM7(b5) 」でした」)

そこから、自分が「こうだ!」と思っていたことで、実際にはそのアプローチで説明できないことが、かなり多いことが分かり、自分の中で整理しようと思ったからです。この表でいう「その他」にあたるコードを、それぞれ、どう解釈しようか、というところから、始まりました。

また、それとは全く逆で、これから作曲をするために、音楽理論を覚えようとする人が、「知識」としての理論を覚えても、実際にそれを効果的に使えない場面を見ることが、往々にしてあることを、随分前から感じていました。

理論を勉強をしている人なら、コードを見た時に「これは理論的にどうなっているのか?」と問われたら、きっと答えられるかもしれません。しかし、まず大事なのは、作曲する時において、それを「実践的に使える」ことです。

「仕組みはあまりよく分からないけれど、慣習的にこういうコード進行が使えるなあ」というところから入り、ある程度、それらのパターンが自然に使えるようになってから、そこで使われているコードが、どういう役割を果たしているのか、それを覚えていくのが、効果的ではないかと、自分は思います。国語の文法を、中学生になってから、本格的に覚えるように。(とはいえ、慣習的なコード進行は、無数にあるのですが 笑)

おそらく、音楽専門学校などで音楽理論を勉強する時、「有名な理論書に『整合』させるためにしている勉強」というのが、少なからず出てくると思います。それはとても大切なことです。

でも、そこに大半の時間(特に若い人たちにとって、短くて貴重な青春時代)を費やすことに終始していくのは、ちょっと本末転倒かもしれない、と思う時があります。先ほども書きましたが、「実際に自由に使えて、初めて『音楽理論を知っている』と言える」のですから。

そして、昨今の音楽は、非常に複雑になってきており、また作り手はそれを要求されます。たとえば、「フォーク」というジャンルであっても、編曲する際に、「ダンス・ミュージック」「ソウル・ミュージック」etc. の要素が入ってきたりすることも、ごく普通にあります。

なので、一般的な音楽理論の基本的セオリーの中で出てくるコードを覚えただけでは、太刀打ちできないことが増えてきています。きっと、これから作曲ができるようになりたいと思っているビギナーの方が、普通に音楽理論を勉強しても、この表の機能でいえば、T(トニック)から頑張ってSM(サブドミナント・マイナー)くらいまでしか、実践的には使えない人が多いのではないかな、と思います。

もちろん、それ以上使える人もいますが、その人たちは、理論を知らなくても、元々できるタイプの人(いわゆる才能がある人、耳がものすごく良い人)の場合が多いです。才能がある人じゃなければ、音楽理論を勉強してもあまり意味がない、なんて、すごく勿体ないですよね。

そこをカバーするために、なるべく手っ取り早く、パワー・アップできる手段があればいいなあ、と思い、このコード表を作成しました。自分自身の動機は、「他の人に説明できるようにするため」だったのですが、完成した表は「現時点で機能を深く理解できていなくても、自然に使えるようにするため」に役立つものだと思っています。

音楽理論に忠実に沿った、というより、数々の名曲や自分の経験則を含めた、かなり実践を重視したものです。もし、「この表は使えそうだ!」と、思われる方がいましたら、どうぞご自由に参考にしてください。

(但し、教育側に立つ方が、音楽理論系のブログetc. を含め、この表のアイデアを、ほぼそのまま使う場合は、できれば、私に一報いただければ、と思います。)

しかし、このコード表を見ても、きっと肝心なことが分からないかもしれません。それは「これらのコードは、どういうコード進行で使うの?」ということです。「Cメジャー・キーの曲で、Bbmなんて使えるの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

なので、今後、何回かに分けて、ここに載っているコードを使った、コード進行の例、というのを、上げていこうと思っております。このブログでは、小難しい理論の話は、必要最小限に留めようと思います。とにかく、「理屈をこねる前に実践」です 笑

(※ 即効性重視で、すぐにコード進行の例をあげていくか、それとも、一般的な方も読みやすいよう、音楽理論の基本を説明していく回を設けるか、どうしようか少し思案しております)

興味ある方は、楽しみにしていてください。

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