その62 第二弾

2005年当時)
キープ曲がすごい勢いで増えてきた11月初旬のある日、、、僕は次のプレゼンのために、自宅で仮歌録音をやっていた。歌い手さんはカナタさん。まだ若い女性で、R&Bなど洋楽的なアプローチが得意で、臨機応変な対応力を持ち合わせていた。表現力が豊かで、パワフルな歌唱法もソフトな歌唱法も、抜群に上手かった。(この方も現在、大活躍している音楽家だ)
録音している最中、スペルラヴァー社スタッフのタカシさんから、電話がかかってきた。
「この前出していただいた曲ですが、次のアルバムに収録されることになりました。おめでとうございます!」
やっとだった。メジャー1作目の採用が決まってから、一年近く経過していた。電話を切った後、カナタさんと二人で握手して喜んだ。
アーティストは、、、日本に住んでいる人なら誰でも知っているであろう、若手の国民的女優さん。歌手としてもストレートな歌唱が魅力で器用さもある、なかなか上手い方だ。(俳優さんや声優さんに曲を提供する時にすごく思うのが、歌の上手さプラス「言葉を伝える」力にとても長けているように感じる。)
楽曲は、インコグニートを程よくポップな感じにした、ミディアムアップテンポの曲。アレンジは同じ事務所の実力派のヒラタさんが担当することになった。来年春頃にリリース予定らしい。実際に商品化される時は、どんな雰囲気になっているんだろう。
「アーティスト名義の作品でも、楽曲提供したい」と思っていた自分の中では、ある意味、やっと作曲家としてデビューしたような気持ちだった。
いつか決まるだろう、とは思っていたけれど、実際に起こると、本当に決まったのか信じられない気持ちで、とにかく、その日はふわふわした気分で、一日過ごした。
翌朝起きてから、ちょっと冷静になって思った。素晴らしい仕事だけれど、自分としてはまだ2作目だし、まだアルバムの収録曲の1曲だ。ここで浮かれてたら、何も進歩しない。近い将来、シングルA面をとりたい。オリコントップ10に入れる曲を書きたい。
しかし、、、良いことが起こったら、その時その時で素直に喜ぶことも、すごく大切だ。起こったこと、いただいたことは素直に「ありがとう」と思い、喜ぼう。歌や歌詞、アレンジがどうなるのか、楽しみにしていよう。そして、書いた作品はもう過去のものだから、次の作品に集中しよう。

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