その61 Blue Flame

2005年当時)
 
この頃は、アーティストの作曲コンペをメインに、時折、音楽業界じゃないところでも、楽曲を依頼されて作ったりもしていた。
 
その中でも大きかったのが、全国の石油会社の展示会用の、テーマソングを書いた仕事だ。
 
これは、自分が大学生の時、同じ軽音楽系サークルの大先輩で(厳密には別の音楽サークルの方だが、自分のサークルにも出入りしていた)ドラマーだったゴウさんから、紹介していただいた仕事だった。ゴウさんは当時、有名インディーズバンドでドラムを叩いていた。そのバンドは大きなオーディションでも優勝して、テレビCMにも出演するなど、とても将来有望なバンドだった。
 
ゴウさんの先輩で、プランナーの仕事をされているオオクボさんが、この仕事で作曲のできる人を探していて、ゴウさんに思い当たる人がいないかあたった。ゴウさんは数年前に一度、僕の家に遊びに来てくださったことがあって、その時に僕が渡したデモ音源を聴いて、僕を推薦してくださったのだった。
 
この仕事は、僕が作詞もやったので、作詞・作曲・編曲、全てを僕が担当したことになった。
 
作詞するにあたって、ガスが普段の生活にどう役立っているか、それに因る家庭の暖かさ、家族のだんらん、、といった要素を、意識しながら、作業を進めていった。僕は一応作詞はできるけれど、ちゃんと「伝わる」歌詞は、詞先でないとできない。(最近、あともう一息で、曲先でもそういう歌詞が書けるのではないか、という手応えは感じているが。) この時も、歌詞を先に書いて、そこにメロディを当てはめていく、そういうスタイルをとった。曲タイトルは「Blue Flame(青い炎)」にした。
 
この仕事は、曲のテーマと同様、関わった人たち全てが、とてもアットホームで、終始暖かい雰囲気で包まれた、そういう仕事になった。ここで知り合ったエンジニアのハヤノさん、歌入れをしてくださったアキバさん、そしてクライアントのヨシダさん、プランナーのオオクボさん etc…  全て和やかな雰囲気で作業が進んでいった。正直、その当時の自分としては恐れ多いくらい、かなり良い条件の仕事でもあった。また、曲もそうだが、どちらかというと歌詞を高く評価していただけたことが、とてもうれしく思った。
 
 
最近はご無沙汰しているが、この時のメンバーで、その後も何度か一緒に集まって、飲み会のようなこともやった。大学の先輩との縁で、させていただいた仕事。なんだかんだで、僕は人に恵まれていると思う。
 

 

 

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