その45 相性

2004年当時)
 
相撲の歌関連での失敗以降、僕はスペルラヴァー社からくるアーティストのコンペと、レコード会社の楽曲プレゼンをメインに、作曲活動をしていた。
 
とにかく、「早くこうなりたい!」と思っている時ほど、いろんなことに手を出してしまいがちだが、実はそういう時ほど、やることを絞ってどっしり構えて取り組んだ方が、良い作品が生まれたり、良い結果が出る気がする。
 
スペルラヴァー社からいただいていたコンペは、傾向的に、R&Bスタイルやクラブミュージックの色合いが強かった。以前から「この人に書きたい!」と思っていた人が多く、また「こういう曲を書いてみたい!」という、自分の挑戦意欲と合致していたものが多かった。音楽的な相性が良かったと思う。
 
僕自身は、元々R&BHIP HOP、クラブミュージックをものすごく聴いていたわけではないし、クラブに毎週通いつめて踊っていたわけでもないので、どうしてもトラック勝負になると、餅は餅屋かな、とちょっと思うこともあった。でも、R&Bなどに必要な和声感覚は、自分の元々好きな音楽や、勉強してきたことを応用していくことで、対応できることが多かった。なので、ベースが違う自分が作ることで、逆に新鮮に思ってくださった人もいたのかもしれない。そもそも、R&Bは、「リズム&『ブルース』」だ。そう考えれば、そんなに怖いものじゃない 笑。
 
一度スタッフさんから、
 
「この事務所は、ケン社長がOKと言わなければ、絶対に声をかけません。300本のデモテープのうち、一人に声をかけるくらいの頻度です」
 
という話を聞き、それもすごくモチベーションになった。すぐに結果が出るほど甘い世界ではなかったけれど、結果はともかく、新しい曲を、自信を持って作っていけることが多かった。
 
そのうちスペルラヴァー社から、あるアーティストの案件が来た。楽曲プレゼンをしている、レコード会社のアーティストだった。これは、どうしたものだろう。。
 
そっちの方のプレゼンは、、、頻度的にそんなに多い方ではなかった。もちろん、向こうの事情があったと思うけれど(あと自分の実力不足も)、そのルートだけだと、自分的には飼い殺し状態だった。
 
いろいろ考えたけれど、そろそろどちらかに絞って、やるべきじゃないかと思った。
 
「今後は、こちらの会社に集中して、楽曲コンペに参加していきたいと思います。短い間でしたが、お世話になりました。」
 
思い切って伝えた。正直、全く思うところがなかったわけではないし、ほんのちょっと嫌味も言われたけれど、、、そんなの、後から挽回してやればいいんだ。これからが大事だ!

(次回) その46 ありがとう

(前回) その44 うまい話はない

___

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *