その52 採用 そして・・・

2004年当時)
 
スペルラヴァー社のスタッフ イマイさんからの着信履歴と、留守電が入っていた。
 
「先日、アニメのCM用案件で出していただいた、デモタイトル『ロックバラード』ですが、、、これで進めようという話になりまして、、」
 
え、、、決まったの?  それとも、またキープ?
 
「現在、1コーラスなので、アレンジも進めてほしいのですが・・・」
 
どうやら、採用されたらしい。。
 
あまりにも唐突だったので、びっくりして、あまり実感が湧かなかった。
 
アレンジは、僕はまだ自信がなかったので(段取りも不安だった)、結局、事務所内でも実力派のドイさんが担当することになった。それでも全然良い。とにかくやっと楽曲がメジャーで採用されたのだから。
 
いつものくせで、今までの楽曲キープの時のように、途中で話が流れてしまわないか、すごく心配で、制作途中段階で、何度かスタッフさんに確認したが、
 
「順調に作業進んでおりますので、デーンと構えていてもらって大丈夫ですよ!」
 
と言ってくださった。
 
とりあえず、本当にホッとした。でも、僕の中では、やったー、めでたしめでたし、という気持ちはそんなになくて、、まだまだだ、と感じた。
 
今回のアニメのCM楽曲は、アーティストが主体でアニメのタイアップを歌う、というのではなく、あくまでCMが主体で、そこで流れる曲、という位置付けだった。僕は当時、メジャー・アーティストに楽曲を提供したい、という気持ちがとても強かったので、その目標はまだ実現していなかったからだ。
 
今考えれば、そのアニメは、誰でも知っている国民的人気アニメで、実は印税的にも結構好条件の仕事だった。もし今の自分がタイムスリップして、その時の自分の前に現れたら、きっと、
 
「贅沢言うな、決まっただけうれしいと思え、この野郎!」
 
と、注意していると思う。
 
とにかく、決まったものは決まったもので、浮かれていないで、先のことを考えて、新曲をどんどん作っていこう。。そう考えていた時、また連絡が入った。
 
「この前出していただいた、アニメ主題歌のタイアップで、今キープになっている曲がありまして、、、イントロとAメロを直して、歌詞も新しくいれて、歌も録り直してほしいのですが。それが数日後なんですけど、どうでしょうか?」
 
今度はアーティスト主体のアニメタイアップだ。このアニメも、すごく有名なアニメの続編だった。
 
しかしまだキープだから、どうなるか分からない。アルバイトも入っていて時間がほとんどない。女性アーティストの案件だったが、なにより、短時間で手配できる女性ボーカリストさんが今はいない。果たして間に合うのか・・・
 

(前回) その51 ネット経由でのVo.レコーディング

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