その51 ネット経由でのVo.レコーディング

2004年当時)
 
自分自身で歌う仮歌に限界を感じ、再度仮歌ボーカリストさんを募集していたところ、ある男性の方から応募があった。一度、メジャー・デビューしたこともある、コースケさんという方だった。
 
最初構えたが、金額的なことも、いつもよりほんのちょっと、細かく設定して、今の自分のデモを何曲か添え、返信を送った。
 
感触は悪くなかった。一度電話で話しましょう、ということになって、電話をかけた。コースケさんはひじょうにざっくばらんな方だった。
 
「今回応募したのは、仮歌もそうなのですが、音楽をやっている、新しい人との繋がりを作って、今後何かできないか、という目的もあるんです。だから、先ほどメールでいろいろ金額設定していただきましたが、そんな細かいこと要らなくて、一曲いくらでやっていきますよ!」
 
実績のほぼない作曲家にとっては、すごくありがたい、救われる言葉だった。
 
そして、早速、歌入れをお願いしたい曲の話になった。僕は聞いた。
 
「住んでる場所が、うちからちょっと遠そうなのですが、大丈夫でしょうか?」
 
「そうですね、、、う~ん、今、メロディのデータとカラオケと楽譜を、インター・ネットで送ってもらって、それに合わせて僕が歌を入れて、あなたに送り返すとかって、できそうじゃないですか?」
 
 
これは前年に、僕がいつかできるのではないかと考えていたアイデアと、全く同じだった。
 
「可能でしたら、ぜひよろしくお願いします。あの~、曲って、アレンジまで全て出来上がった状態で、送った方が良いのでしょうか?」
 
「いや~、多分、メロディコードとかでも、なんとかなるんじゃないでしょうか。歌い方の参考になりそうな曲も送ってもらえるとうれしいです。とにかく、まずやってみましょう!」
 
拍子抜けなくらい、上手く話がまとまった。オケがラフの状態でも、歌入れをアレンジと同時進行できるのなら、時間のロスはかなり減る。今では当たり前のように使われている手法だが、この時の僕にとっては、昨年から温めていた、全く斬新な方法だった。(この頃は、かなり大きな容量のデータも、無料で送れるサービスができていたのだ)
 
そして、、、コースケさんの見違えるような歌の入ったデモが、どんどんできていく。歌詞はない場合が多くて、ラララ~だったが、ニュアンスは抜群だ。部分的に、アクセントになりそうな箇所に、たとえば「I don’t know why~」みたいな言葉を入れていただいたり、フェイクや豪華なコーラスが入っていたりした。みんな、コースケさんが自分のイメージでしてくださったのだ。
 
「いや~、ノイさんの曲はメロディが綺麗で、良いですね~」
 
そういうお褒めの言葉をいただき、調子に乗りながら、僕は再び勢いを取り戻した。
 
そしてある日、スペルラヴァー社から着信履歴があった。留守録が入っていた。

(次回) その52 採用 そして・・・

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