その4 練習

キーボードを始めて、疑問に思ったのが練習の仕方だった。

他の楽器は、例えばドラムなどはクリックに合わせて8ビートを叩いたり、いろんなフィルインの練習をしたりする。ギターなんかは、様々なジャンルのカッティングやアルペジオの練習をしたり、ペンタトニックというスケールを使った、ブルース進行でのアドリブのとり方の練習etc… いろんな練習方法を、みんな当たり前のようにやっていた。

しかし、キーボードは、あまりそういうのがなかった。既存曲なら、ライブまでにスコアに書いてあることや、耳コピーしたことを弾けるようにするか、、、そして、その曲に必要な音を、鍵盤ごとにスプリットしておく、、、僕が入った当時は、それだけを求められているかのような気がした。

つまり、他の楽器は、「曲の練習をしなくても、自由に弾けるようにする為の練習」を当たり前のようにやっているのに、キーボードは「曲を弾く為の練習」をすることに終始している気がした。

それはそれでとても楽しかったのだが、正直、大学に入ってまで音楽をやることになったのに、それだけで学生生活のサークル活動を費やすのは、すごく勿体無い気がした。しかし、練習方法が全く分からない。(似非ジョージ・ウィンストンみたいなことはやっていたが、これも全くの我流である) ちなみに、ボーカルパートの人も、似たような感じがした。元々上手い人が上手く歌っていた印象だ。

しょうがないので、それまでピアノを全く弾いたことがなかったので、ハノンを少しずつやるようにした。特に39番のスケール練習。指は少し動くようになった。

他の楽器の人たちがやっていた、「曲の練習をしなくても弾けるようにするための練習法」が、鍵盤にもちゃんと存在することが分かったのは、卒業してから数年経過した時だった。その頃になると、ポピュラー音楽のための、ブルースやロック、ファンク、ジャズetc… 効果的且つ弾き甲斐のある教則本が、たくさん出始めた。特にリットー・ミュージックの教則本はとても優れていた。これからバンドでキーボードを始める人は、プロの方の動画なども簡単に見れて、練習しようと思えばいくらでも手段があるので、幸せな環境だと思う。

今は時間がないので、月に数回、時間を決めてみっちりやる感じだ。プログラミングする時も、個性を出すために必要だったりする。

 

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