その2 HR/HM

軽音に入った時、まず最初に「HR/HM」という音楽があることを知った。

自分もそれまで、洋楽はそれなりに聴いていたが、Carpenters、Billy Joel、Simon & Garfunkel といった、いわゆるスタンダードポップスが多く、あとはT-squareのようなフュージョン、ジャズ風のもの、そしてその当時の流行りのJ-POPだった。(当時は「ニュー・ミュージック」という言い方もされていた)

僕が入る数年前までは、フュージョンやソウル、ファンク系が主流だったみたいだが、時代は、ハード・ロック、ヘビー・メタルだった。(特に洋楽の) 邦楽ポップス? なんて軟弱な、、みたいな風潮があった。

サークルには、ロン毛で煙草を吹かしている、怖そうな先輩がたくさんいて、その方達はなんとなく退廃的な雰囲気を醸し出していた。その環境に馴染んでいると、それもまた「カッコいい」という認識になっていた。実際、話すとかなり面白い(強烈な?)方が多かった。

HR / HM、そしてロック全般、、何にカルチャー・ショックを受けたかというと、それまで自分が聴いてきた音楽は、メロディ、コードがあって、それを元に良質なアレンジがなされていたものがほとんどだったが、そこで聴いた音楽は、まず印象的なギターやベースのリフがあって、それが元になって、上にカッコいい歌が乗る、というものだった。リフは大まかにAとBがあれば、大体1曲が成立する。

今考えてみると、これは昨今のダンスミュージック、クラブミュージックと同じような成り立ち方をしている。

僕はあまり、このジャンルがものすごく好きでのめり込む、というタイプではなく、また嫌いなジャンルというものもほぼなかったので、さほど違和感なくいろんな音楽を受け入れられた。正直、普通の大学のサークルレベルだったけれど、そういう音楽がすごく好きな人達が演奏しているわけだから、熱、魂はすごくある。ロックな要素も、自然と身体に染み込んでいった。

僕は、初対面の方に、優しいピアノのバラードや、若いかわいい女の子の歌が得意な人、と思われることが多く、実際そうなのだが、意外とロックな作品も提供していたりする。大体、そういう時は、古くて雑然とした、音楽サークルの部室から出てくる音をイメージして書いている時が多い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *