初めて好きになった音楽 フュージョンと谷村有美 前編

CHAGE & ASKAさんや、DAVID BENOITさんの音楽に出会う以前に、聴いていた音楽のお話です。
僕は高校生まで、電子オルガン(以下エレクトーン)をやっていたのですが、小学校高学年くらいまでは、ただレッスンに出て、先生の出した課題をこなして、という、受け身の姿勢で通っていました。比較的真面目な性格だったので、それなりにしっかりこなしていました。やめなかったのは、多分、嫌いではなかったのでしょう。
それが、小学校6年生の時の、エレクトーンの発表会に出て、大きな変化がありました。5,6人くらいの各グループで、順番に合奏していくのですが、とにかくこの年は、「すごくカッコいいな」と思う曲が、他のグループによって、いくつも演奏されていたのです。(因みに記憶が曖昧なのですが、僕のグループが演奏したのは「コパカバーナ / バリー・マニロウ」だったと思います)
「Truth / THE SQUARE(T-SQUARE) 」「TAKARAJIMA(宝島) / THE SQUARE(T-SQUARE) 」「Coast To Coast / カシオペア」「Marco Polo / Bob James」etc…
これらの音楽には、共通点がありました。「フュージョン」というジャンルの音楽だったのです。フュージョンとは、英語で「融合」という意味で、主にジャズと、その他のジャンルの音楽 を融合させて成り立っています。
僕はこの「フュージョン」という音楽が、とても好きになりました。特に、T-SQUAREさんはお気に入りでした。
それからは、「発表会で聴いた、『宝島』や『Truth』を、自分一人で弾けるようになりたい!」と思い、それまでの「言われたから練習する」ではなく、自分で弾きたい楽譜を見つけ出して買って、自分でどんどん練習するようになりました。「宝島」と「Truth」は、中1で弾けるようになりました。(とにかく、この時期の好きなものの吸収力というのは、ものすごいものがありました)
なぜ、この「フュージョン」という音楽を、とてもカッコいいと思って好きになったのか、、おそらくなのですが、小学生の時に見ていたプロレス中継の、選手の入場テーマ曲が、フュージョンに近いものだったり、そうじゃなくても、歌の入っていない「インストルメンタル」だったりしていたので、それで馴染みやすかったのだと思います。

あとは、僕はエレクトーンを習っていて、ある時期までちょっと、クラシックピアノを習っている人にコンプレックスがありました。クラシックの楽譜の、あの細かい音符がズラーっと並んでいる、そういう楽譜に、すごく憧れを抱いていて、またショパンの「幻想即興曲」のような、指が速く動く曲を弾いている子たちに、羨ましさを感じていました。大方のフュージョンは、曲中のどこかに「アドリブ(即興演奏)」が入ってきて、そこに比較的細かい音符のフレーズが出てきます。「この音楽が弾けるようになったら、クラシックピアノを習っている人たちへのコンプレックスを払拭できる・・・」そういう意味でも、この「フュージョン」という音楽は魅力的でした。
そして、フュージョン以外にも、、小6の同じ時期、風邪を引いて何日か学校を休んでいた時、暇だったので、ラジオをずっと聴いていたのですが、その時、たまたまジャズの演奏を延々と流している番組があって、それで「ジャズ」という音楽も好きになりました。初めてFM放送を聴いた時の「ラジオ放送なのに、なんて良い音なんだろう!」という感動は、忘れられません。
それから、僕はFMラジオ放送を日常的に聴くようになり、とにかく、フュージョン、ジャズと呼ばれる音楽が、少しでも流れる番組を見つけ出しました。 NHK-FMで、平日の夕方放送の「FMサウンドクルーザー」という番組と、深夜放送の「クロスオーバーイレブン」という番組です。
特に、「FMサウンドクルーザー」は、45分くらいの番組で、ひたすら曲を流し続け、最後に曲名と演者を順に紹介するのですが、この番組は僕にとって、要チェックでした。
本来なら、その時間はクラブ活動をやっている時間なのですが、僕が入った中学校は創立してから3年目で、入りたいと思っていた部活(陸上部か柔道部か吹奏楽部)がまだできておらず、とりあえず部員が3人しかいない将棋部に籍を置いて、半分帰宅部みたいな感じでした。なので、中学2年の時に陸上部ができるまで、学校から帰って、毎日聴いていた記憶があります。
番組が始まると同時に、カセットテープで録音し始め、好きじゃない曲が流れたらストップボタンで停止して、前の曲が終わった時点までテープを巻き戻して、次の曲が流れるタイミングでまた録音して(このタイミングが難しいのです)、最後に流れるタイトルも録音して、、それを繰り返しながら、カセットテープを好きな曲達で埋めていくのです。
「FMサウンドクルーザー」で流れるフュージョンは、エレクトーンの発表会で聴いた、T-SQUAREさんやカシオペアさんに比べると、かなり渋めで大人っぽいものが多くて、まだ中1の僕にとっては正直、「あれ、ちょっと違うな…」と思うこともありましたが、、この時、デイヴ・グルーシン、ドン・グルーシン、チック・コリア、イエロー・ジャケッツ、シャカタク、スパイロ・ジャイラ、スペシャルEFX、ボブ・ジェームス、今田勝 NOWIN、デヴィッド・サンボーンetc…  それから実は、デヴィッド・ベノワさんの音楽も、あまり意識しないまま、どんどん聴いていました。(もしかしたら、自分の音楽のルーツは、中学1年生の帰宅部の時に、形成されたのかもしれません)
また、その番組は、フュージョンやジャズだけでなく、ボサノヴァ、ラテン・ミュージック、AOR、ワールド・ミュージックetc… と呼ばれるような音楽もどんどん流れていくので、それらも知らず知らずのうちに覚えていきました。(今思えば、この頃に好きになったジャズは、いわゆる「Jazz life」に載っているジャズではなく、「ADLIB(2010年に休刊)」に載っていそうなジャズが多かったと思います)
T-SQUAREはもちろん、デイヴ・グルーシンやイエロー・ジャケッツを聴いている中学1年生だったので 、、当然、友達との音楽の会話は成り立ちません。他の友達が聴いていたのは、TM NETWORK(TMN)、渡辺美里、リンドバーグ、中村あゆみ、爆風スランプ、プリンセス プリンセス、レベッカ、米米CLUB etc… (敬称略) ほとんどしっかりと聴いたことがない音楽ばかりです。当時の僕は、無理しながら、会話を合わせていました。(中2になって、ようやく日本のポップスも聴くようになり、好きになりました。)
そんな中、、、中学1年生の冬、自分にとって初めて、J-POPで、音楽的に意識した上で、好きだ思えるアーティストに出会います。その女性は、教育テレビ(今のEテレ)の、「ベストサウンド」という、アマチュアバンドマンのための番組で、司会をしていました。名前は、谷村有美(たにむらゆみ)さんといいました。

(つづく)

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