努力したことはすぐに忘れる

「好きこそものの上手なれ」という諺がありますが、本当にその通りだと思います。
好きで楽しんでやってきたことは、自然にできるようになるし、覚えられます。
僕の場合ですが、中学生になる直前くらいから、急にFMラジオ放送を聴くようになって、当時はFM放送って、レコード並みに(まだCDではない)良い音だなあって感動して、そこで放送される楽曲を、どんどんカセットテープに録音していくようになりました。そして、その楽曲を、それこそ擦り切れるくらい(テープなので本当に擦り切れるくらい)、何度も何度も聴き返すのです。
当時は、多くの楽曲は、打ち込みではなく、人間が演奏していました。そして、歌も今ほど細かいエディットはしていませんでした。(だから、その時代の録音物で、歌が上手く聴こえる人は、本当に上手いのです。そして、実際に上手い人がすごく多かったです。プロですから、当たり前なのですが)
何度も何度も曲を聴いているうちに、1コーラス目と2コーラス目の構成が同じでも、2コーラス目のこの部分のフィルインがちょっと走ってるな、とか、2コーラス目の歌のフェイクが、1コーラス目に比べて、やや低いな、とか、ものすごく細かい箇所まで、気付くようになりました。別に調べようと思って聴いていたわけではなく、ただ好きで聴いていたのですが、自然に分かっていきました。
音楽以外の例だと、僕はプロ野球中継を見るのが、1985年に(阪神タイガースが日本一になった年に)好きになったのですが、このおかげで、毎日、新聞のスポーツ欄を読むようになり、各球団の選手の名前と守備位置や成績、順位表の見方、打率の計算の仕方、優勝マジックの計算の仕方 etc… 自然に覚えていきました。
こういう風に、なんでも好きになって、自然に上達したり覚えることができれば、それは本当に素晴らしいことなのですが、仕事になってくると、そうはいきません。
僕は、音楽の場合「嫌いな音楽」というのはほとんどありませんが、「あまり詳しく無い音楽」というのは、それなりにあります。また、音楽ジャンルではなく、作業工程の中でも、得意不得意はあります。(勿論一通りはできるようにしてあります) おそらく、他の音楽家の方々もきっとそうだと思います。
そういう時は、やはり、「努力して覚える、努力してできるようになる」しか、ありません。それができないと仕事にならないのなら、絶対にできるようにする以外、方法はありません。
しかし、この「苦手だけれど、努力してできるようになったこと」というのは、、悲しい話ですが、時が経つと、すぐに忘れてしまうのです。努力したから、ずっと身に付いていそうなものですが、現実は厳しいです。
だから、忘れないように、身に付いた技術を、まめに使っていかなければなりません。忘れてしまえば、また覚えるしかありません。(幸い、再び覚える時の飲み込みは、結構早くなっています。)
そして、もう一つ、、頑張って努力してやっとできるようになった頃には、、便利な機材が出てきて、特に努力しなくても一発でできる時代になっている、、そういうことも多々あります。
すぐに忘れてしまったり、必要なくなってしまうこともあるけれど、それでも努力しなければならない。これの繰り返しなのかな、と思います。
 

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