(2005年当時)
誰もが知っている女優さんに楽曲採用が決定したことで、身近な人たちに報告したが(もちろん、守秘義務があるので、公に話を広げない人限定です)、「オオーッ!」という人もいれば、特にリアクションのない人も結構いた。
「まだそんな活動してるの?」「それで食っていけるの?」
冷めた感じで、こう聞かれた時もあった。
業界にいる人なら、それがどんなに大変なことか分かるのだが、世間的には、確かに「オオーッ!」と言われるには、やや若くない。まだやってんの? みたいな反応があっても、無理はないだろうな、とちょっと思った。
しかし、、、そういう人は別の場所で、「〇〇に書いた人の知り合い」ということを、ちょっとした業界人と繋がっている自分をアピールするために、話のネタに使ったりもする。これは、ちょっとムッと思うこともあった。その人のこと自体はそんなに認めていないのに、その人と繋がっている自分をプチ自慢する、そんな感じだ。
正直なところ、自分が本当に認められて、そして本当に正式な仕事として、これ一本で成り立たせるためには、たとえばミュージック・ステーションで歌われるような、そんな曲を、最低でも一度は絶対に書かなければならない、そう思った。
別にすごい人だと思われたいとは思わない。普通に「この仕事をやっていますよ」と話して、一般的なサラリーマンの人たちと対等に扱ってもらえるようになりたい。業界以外の場所でも、人にちゃんと認められるようになるには、誰もが知っている曲を書かなければ、と思った。でも、、なんとなくかなり近い将来、そこまではいけるのでは、、そんな気がした。
その直後も、曲が決まりそうで、流れてしまったことがあったけれど、、以前と比べて、それほど落胆はない。一つ良い仕事が決まっている。そして、次の年は良い流れになりそうな、ちゃんと根拠のある自信があった。