（2003年当時）
「社長のケンが、他にもあなたの作品を聴きたいとのことなので、宜しければまたデモを送ってください。」
新進気鋭のクリエイター集団スパからの連絡が入った。スタッフのタカさんは口調からして、とても丁寧で誠実そうな人柄だった。ケン社長は現役の超一流クリエイターだ。
そこのHPを改めて見た。
「華々しいシンデレラストーリーは用意されていません。しかし、本気で取り組もうとする人には、それにふさわしいチャンスが与えられます」
うろ覚えだが、おそらくこのような内容だった。ここは信頼できるかもと思った。
「自分は、まだフリーなんだから、今関わっているレコード会社のプレゼンはそれとして続けて、この事務所にも、またデモCD-Rを送ってみよう・・・」
既に3曲、デモを送っていたから、残りのデモの中から、2曲チョイスして送った。
しばらく待ったが、返事が来なかった。
それならばと、更に2曲入りのデモを送った。しかし、やはり返事が来ない。。
そうやって、何回か、デモを送り続けることになって、それでも返事が来なくて、、とうとう、残りのデモは、最後の1曲だけ、になってしまった。デモタイトルは、「Together Night」だった。
「これ送ってだめなら、この事務所は潔く諦めよう。」
そして、しばらくして、、、返事が来た。
「一度、うちにくるコンペティションに参加してみませんか？ それから、このデモ歌っている女のコ（トワさん）、社長がすごく気に入ってるので、急遽、プリプロで歌入れしてほしい曲があるのですが・・・」
（次回） その42 陽気な二人のガーナ人
（前回） その40 雲行き
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