その5 C7とCM7

恥ずかしい話だが、僕はコードというものが、20歳くらいまであまりよく分かっていなかった。知っているコードは、メジャー、セブンス、サスフォー、マイナー、そしてそれらを使用したオンコード(分数コード)くらいだった。

でも、演奏中コードを弾いているという意識はあって、コード進行の概念もあった。メジャーやマイナーの響きの違いも分かっていた。様々なコードの種類、呼び方と、その構成音を知らなかったのだ。

大学に入るまで、電子オルガンをやっている時に、グレードを取らなければならないので、前述の最低限のコードくらいは知っていたが、それらは全て響きと、指の押さえ方で知っていただけだ。なので、セブンス・コードというと、響きは分かるのだが、完全1度、長3度、完全5度、短7度の音で構成されている、という認識はあまりなかった。

電子オルガンのグレード試験項目には、一応、メロディ&コード譜を元にした、即興演奏もあるのだが、それが当時の僕には正直、あまり面白いものには思えなくて、「受かるために無難にまとめる」方法を会得することに終始していた。だからコードは最低限しか覚えない。それよりも、松田昌さんやセキトオシゲオさん、塚山エリコさん、中村幸代さんetc… 一流プレイヤーの方々が出している、オリジナル曲や既にアレンジされた曲を弾くことの方がずっと好きだった。音色を設定して、楽譜に書かれたものをそのまま弾けば、素晴らしい演奏になるのだから。

例えばジャズの「枯葉」なども、全て譜面に書かれたように、演奏する。テンションノートもアドリブも、全て書かれたように演奏する。しかし、リズムマシンに合わせることはしっかり意識する。ジャズという名前の、リズムに忠実に弾くことを意識した、クラシック的な奏法、という摩訶不思議な演奏をしていた。しかしそのおかげで、それが何のコードなのか、全く分かっていないが、テンションやメジャー・セブンス、マイナー・セブンスetc… といった響きは、なんとなく身近なものになっていた。

大学に入ってしばらくして、それではまずいと思って、コードの押さえ方がひたすら載っている本を買って、できる所から覚えていった。まずはドレミファソラシドとシャープ or フラットを、度数で読むところから。その時、セブンス・コードというものと、メジャー・セブンス・コードというものが、別ものであることを初めて知った。メジャー・セブンスとマイナー・セブンスは、系統的には似た響きなのに、7度が長7度と短7度、ディミニッシュは、、、とりあえずオクターブを4分割するようにすればいいか・・・

そんな感じで、7thコードのテンションが入ってくるもの以外、とりあえず主要なコードは覚えられた。響きと押さえ方をなんとなく知っていたのが、やや幸いした。

しかしその後も、コードネームを見なくても、響きと押さえ方でなんとかなってしまったので、しばらくは、コードを知っていても、あまりそれを便利に使いこなさなくても何となく弾ける、といった状態が続いた。そんな時、ある先輩から、春にやるコンサートで、ジャズファンク・バンドのお誘いを受けた。

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