CHAGE and ASKA 「SAY YES」の歌詞 愛と恋 ~ 恋の手触り消えないように ~

今回は久々に、最も好きなアーティストの一組である、CHAGE and ASKA さんの音楽について、書いていこうと思います。

自分が作曲家、ということもあり、チャゲアスの音楽については今まではほとんど、楽曲をメロディやコード進行など、音楽的な面から分析していくことが多かったのですが、今回、歌詞、という部分から書いていこうと思います。といっても、分析というようなものではなく、自分の中で印象に残っている箇所についてです。

今回取り上げるのは、彼ら最大のヒット曲、「SAY YES」です! 

この曲についての説明は、本当に何を今更、という感じなのですが、でも若い方のために書いていきますと、1991年7月24日に27枚目のシングルとしてリリースされ、同年10月10日にリリースの14枚目のオリジナル・アルバム「TREE」にも収録された、バラード曲です。また、テレビドラマ「101回目のプロポーズ」主題歌にもなっており、数々の名場面を彩りました。作詞・作曲は、飛鳥涼(ASKA)さん、編曲は十川知司さんです。

累計売上が280万枚を超える大ヒット曲となり、既に人気アーティストであった彼らが、国民的スーパーデュオとしての不動の地位を築いたきっかけとなった名曲ですが、驚異的な売り上げを抜きにして今聴いても、美しく印象に残るメロディ、それでいて普通のポップスでは見られないような、奇想天外だけれどやはり美しくスムーズなコード進行、転調が随所に盛り込まれた、歌唱、歌詞、曲、編曲、独創性、大衆性… 全てが奇跡的なまでのハイクオリティで実現されたような、素晴らしい楽曲です。ジャンル的には(彼らの音楽をジャンルに当てはめること自体かなり野暮なのですが)、僕個人の感覚ですが、当時聴いた時はAORかな、と思いましたが、最近聴くと、当時の洋楽 R&Bバラードの要素もかなり入っている気がします。

さて、歌詞ですが、この曲はドラマタイアップということもあり、超ざっくりいえば、男性から女性にプロポーズする極上のラブ・ソング、となっているのですが、その中で、自分にとって、とても印象に残っている箇所があります。

2番のサビ部分

「愛には愛で感じ合おうよ 恋の手触り消えないように」(3:06~3:18)

「恋の手触り消えないように」

という箇所です。

よく、「愛」と「恋」について、語られることがありますが、どちらかといえば、「愛」の方が、自分よりも相手のことを大切に思う気持ちが先に出て、「恋」は、相手のことを好きな自分が中心な気持ち、というように捉えれらることが多い気がします。「愛」の方が大きく無償で尊いもの、「恋」はいっときのキラキラしたときめきのようなもの、ですね。(あと「愛」は、男女やパートナーを超えた、家族や友達、自然、推しているものなど、とても大きな枠で使われますが、、「恋」も、実は意外とそういうケースも多いのではと僕は思います)

そして、「SAY YES」で歌われている、「結婚」というイベント、そこから始まる人生については、やはり「愛」の部分がとても重要になってくる、と思います。長い人生、いろんなことが起こる上で、やはり自分が楽しいだけではやっていけなく、相手のことを先に考えていくことが大切になってくるからです。

でも、「SAY YES」の2番のサビでは、3・4小節目が「恋の手触り消えないように」となっているのです!

ここからは、僕の勝手な解釈、感想です。

僕がまだ20代の頃、年配の既婚男性と話している時、

「うちは、どちらも浮気しても構わない、というルールにしている」

という、仰天な話を聞いたことがありました。(もちろんその方は実際にそういうことはしていません)

どうしてなのですか、と聞いたら、

「そうした方が、お互い自分がしっかりしなければならない、という意識を持てるから」

という返答が返ってきました。若い頃の僕には、一見納得できたような、でも狐につままれたような「???」な感覚でした。(その場に、僕と同世代の人がいましたが、その人は「うんうん、分かる!」という反応でしたが)

でも、、、そういうルールを実際に作るかどうかはともかくとして(笑)、「『愛』を成立させていくのは『恋』なのかな」、、と思うことが、大人になるにつれて、増えてきたのです。

「愛」というのが、いわば「無償で相手を受け入れていく、許していくもの」と考えた場合、結婚だと、当然、相手もそのように思っていくように努力するとします。(実際にそれができるかは別として、理想としては、です)

でも、もし「愛」だけで「愛」を成立させようとしたら、どこかに「自分は絶対にゆるしてもらえる、自分の欠点もそのままでいい、相手といる時はそういう自分を出せるんだ」という気持ちが、少しずつ大きくなってくると思うのです。自分もゆるすけれど、相手もゆるしてくれる、という感覚が強くなると、悪い意味で馴れ合いになり、そのうちときめきもなくなり、言ってはいけないことを平気で言い合うようになり、不満ばっかりになり、最終的には、、、なケースも出てくるかもしれません。いわば、「愛の落とし穴」ですね。

そしてやはり人間、心のどこかに「ときめき」というか、キラキラしたものがあった方がいいと思うのです。相手がどんな状態でも大切な人で受け入れていくことが前提だけれど、やはりずっと、相手にかっこいい人、きれいな人(内面、行動も含めて)であってほしいし、自分自身も相手にとってそうありたい、いつまでも恋人同士のような新鮮な気持ちでいたい、と思うのが自然だと思います。

そして、これらの要素を満たしていくのが、「恋」なんじゃないかな、と思うのです。

「恋」をしている時は、確かに自分中心なのかもしれませんが、逆にいえば、相手も自分中心に動いている、という意識が働きますから、自分自身も相手のためにしっかりしなきゃ、魅力的にならなきゃ、という気持ちが芽生えると思います。おそらく、恋愛をしている時は「自分がこの人のことを好き」という気持ちと同時に「相手に自分のことを好きでいてほしい」という思いがあります。だから、身だしなみにも気を付けるし、言動にも気を付けていくので、多分、相手にとって不愉快なことを言ったり、そういう気持ちにさせたりしてはいけない、という気持ちが、お互い自然に出ていくと思います。またその気持ちがきっと、仕事や学業、打ち込んでいるものなどにも、良い方向に作用することが多いでしょう。「恋」は実は、「親しき仲にも礼儀あり」の精神に繋がっているともいえるかもしれません。

つまり、、一見、自分中心に見える「恋」が、結果的に、相手のことを先に考えていく「愛」を作っていくための、基本になっていることも多いのではないかと思うのです。(この場合の「恋」は、愛が向かっている人に対しての恋心、という意味で、他への心移りとかではないです)

もちろん、相手にありのままの自分、欠点も受け入れてもらえるような、安らぎも必要です。それも「愛」あればこそですが、こちらは一見、「恋」にも近い感覚を含んでいる気がして、、面白いですね 笑

「SAY YES」という楽曲は、歌詞の意味を深く考えずに聴いていても、本当に流れるような美しさで、またそう聴こえるように言葉を紡いでいる部分もあると思いますので、その箇所が、実際にそういう意図で書かれているのかは分からないです。しかし、音楽は聴き手に渡った時点で、聴いた人の人生を彩る、100人いれば100人のための歌になっていくもの、と思いますので、

「恋の手触り消えないように」

「愛」を支えていくのは「恋」なんじゃないか、、、僕にとって「SAY YES」は、そういうことを考えさせられる、とても素敵な楽曲でもあります。

(書いていて、僕の恋愛観とか結婚観って少し古いのかな、とかちょっと思いましたが まあいっか 笑)

p.s

疲れた時、リラックスしたい時は、こちらの方もぜひ聴いてくださいね!

https://linkco.re/gGAqRbFa?lang=ja

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