その27 デモテープの返事がきた!

(2001年)

何度出しても、全く反応のない、デモテープ。。。

そんなある日、オーディション雑誌を読んでいると、作詞・作曲家を募集している、ある音楽事務所の記事が目にとまった。

送られてきたデモテープは全て管理し、そこから「これ!」と思った曲を、いろんなレコード会社にプレゼンして、楽曲を採用させるところまで持っていく、という事務所らしい。まだできて日が浅い事務所だ。

デモテープを管理するために、1曲毎に管理費は発生するが、すごく良心的な金額だ。そして過去の採用実績も載っている。僕も知っている、有名なアーティストだ。

「ここに出してみよう・・・」と決めて、数曲入ったカセットテープを、その事務所に送った。もし怪しかったり、返事がなくても、大したお金はかかっていないし、やめればいいのだから。

しばらくして、返事が来た。「良い作品なので、他にもデモが聴きたい」とのこと!

それから当時の自信作を、何曲かまとめて出してみた。曲毎に管理費は発生するけれど、微々たるものだし、その時は怪しいとか、そういう気持ちは不思議なくらい持たなかった。

しかし、その後しばらくしても、何も連絡が来ない。あれ、どうしたんだろう、と思い、メールアドレスが書いてあったので、思い切って問い合わせてみた。すると、

「手違いがあり、連絡が遅れてすみませんでした。実は、あなたとの専属作家契約をしたいと思っているので、一度六本木の事務所に来ていただけないでしょうか?」

という旨の返事が来た!!

うれしい、でも、、とちょっと思った。その時も関係が継続していた、不思議なインディーズ事務所の件があったからだ。もし話をして、おかしいなと思ったら、そこで断ろう。。

六本木は、すごくお洒落な、新宿とも渋谷とも違う雰囲気を持った街だった。事務所に付いたら、社長とスタッフの方と2対1でお話となった。

僕の今まで送った楽曲に対して、「荒削りだけれど、光るモノがある」と言ってくださった。

「今まで管理費として、お金をとってごめんなさい。専属になったら、今後は管理費は一切なしで、出したデモを、提携しているレコード会社の、合いそうなアーティストにプレゼンしていきます。コンペも定期的にあるので、そちらでも曲を書いてほしい。うちは、メジャー案件しかやらない方針です。また、作詞・作曲家だけでなく、アーティスト志望の人や、良い歌い手さんがいたら、ぜひ紹介してください!」

遂に!!! 僕は、それまでメジャー・アーティストのコンペにすら参加したことがなかった。

もちろん、そこで専属作家契約をすることに決めた。そして、早速、2組のアーティストのコンペを紹介され、曲を書くことになった。どちらも有名な方だ。

やっと、やっと、やっとだ!!! コンペに参加できたら、こっちのものだ! 絶対に決めるぞ。あの事務所からは、もう距離を置こう。。

 

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