その11 ツーファイブワン

ジャズといえば、やはり「ツーファイブワン」だ。Cメジャー・キーの場合、「Dm7 – G7 – CM7 (or C6) 」 Cマイナー・キーなら、「Dm7b5 – G7 – Cm6」などが主だと思う。

このコード進行を身体に馴染ませ、またこのコード進行に、ピタッとはまるアドリブをひたすら練習していくのが、ジャズの練習のメインになると思う。

当時僕は、あまり効率のいい練習はできていなかったと思う。使えるいろんなスケールを教えていただき、それを使って自分なりにメロディを即興で考えて練習するのだが、どうもカッコよくならない。自分の中のものしか出てこない。

もしくは、「Dm7の時はこのスケールを使って、G7の時はこれを使って・・・」みたいに、コード毎にスケールを意識してしまうので、つなげて聴くと、すごく流れの悪いものになってしまう。

かといって、ブルー・ノート・スケールのみでアドリブをとっても、すごく単調になる。というより、ブルー・ノート・スケール自体、それほどカッコよく聴かせられなかった。やっぱり、「自分の中にあるもの」だと限界があったからだ。

多分、その頃は、「クラシックの人に負けないよう、綺麗な運指でよく指が動くようにしたい」という方に意識がいきがちで、それはそれですごく大事なのだが、名演奏をたくさん耳コピーしよう、とか、市販の採譜された楽譜を買って研究しようとか、そのあたりに労力があまり割かれていなかったんだと思う。(譜面を初見で読むのも当時あまり得意ではなかった)

数年後、メジャーとマイナーの、全てのキーの「ツーファイブワン」の例が載っている教則本を見つけ、それ以外にもいろんなコード進行で使える、ジャズのフレーズが載っている教則本を見つけた。「ツー・ファイブ・ジャズ・ライン(リットーミュージック)」と「ザ・ジャズ・ピアノ(リットーミュージック)」だ。「ザ・ジャズ・ピアノ」は模範演奏のCDも入っている。(これ大事!) その2冊は非常に優れていたので、今もピアノトレーニングする時には必ずやっている。

 

 

よく思うのは、自分らしく、というとなんとなく聞こえがいいが、大方の場合、自己流はカッコ悪くなる、ということだ。カッコいいものをたくさん聞いて、カッコいいの理由を見つけて、カッコいいものがたくさん載っている教材を使って、練習していかないと、それに近づけることはできない。仕組みを知るだけでもだめで、それを使った好例にたくさん触れなければならないと思う。「オリジナリティ」はその先にある。

 

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